「前」視細胞移植でマウスの視力回復 日米英チーム成功
目の見えないマウスに、網膜の奥で光を感じる視細胞になる前の細胞(前駆細胞)を
移植して視力を取り戻すことに、ロンドン大など日米英の研究チームが成功した。
網膜色素変性症などで視力を失った患者の治療に生かせる可能性がある。
英科学誌ネイチャー電子版で9日発表する。
研究チームは、視細胞やその前駆細胞が出す特別なたんぱく質を目印にして、
網膜にある様々な段階の細胞を取り出す技術を開発。
生後間もないマウスからそれらの細胞を採取して別のマウスの網膜へ移植した。
視細胞や、おおもとの細胞(幹細胞)は消滅してしまったのに、前駆細胞は網膜に定着した。
この前駆細胞を、網膜の病気で視力を失ったマウスへ移植。
1か月後、瞳孔に光を当てた際の反応などを調べたところ、視力が回復。
視細胞の反応を電気信号で神経細胞へ伝える組織ができていることも確認した
2006年11月9日 読売新聞)
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